世の中には注射を見るだけで怖がってしまう注射恐怖症の人もいます。
看護師が病院で患者さんの対応をしていたり、健康診断で採血をしていたりするとしばしば注射恐怖症の人に出会います。投薬のときも採血のときも恐れおののいてしまい、注射をしなければならないのにできない状況になってしまうでしょう。
採血で失敗された経験が何度もあり、恐怖心が植え付けられている人もいます。痛いから怖いという人もいますが、過去の記憶から漠然とした恐怖に襲われる人もいるのです。
しかし、看護師は職務を全うするためには注射をしなければなりません。このようなときにはどのような対応をしたら良いのでしょうか。
注射恐怖症の対応方法として重要なのがコミュニケーションと観察です。注射恐怖症の人が自分の世界に入ってしまうと恐怖心が大きくなってしまいます。できるだけ声をかけるのが大切で、注射が終わるまでは一動作ごとに声をかけるように心がけましょう。腕を出してもらうところから順番に丁寧に声をかけていき、自分の世界に相手を引き込んで安心させるのが大切です。
それでも恐怖心が出てきてしまうこともあるので、看護師は相手の観察を怠らずに臨機応変に対応しましょう。表情や動きをよく見て異常を感じたら注射をやめるのが基本です。怖がっていそうだというくらいならまだ問題はないですが、震えているときや意識が遠のいていきそうな様子があるときには注射を一時中断しましょう。